インドネシア・メナド/レンベ タラサダイブリゾート

日本でのOL生活から一転、インドネシア メナドのダイビングリゾートに就職。メナドでのダイビングや生活についてお話しています!

なぜ海の生物を触ってはいけないのか

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みなさん、スラマッシアン(こんにちは)。

 

 今回はなぜ海の生物を触ってはいけないのかについてお話しようと思います。

 

 私もこの何年かでインドネシアのメナドでインストラクターとして働いてきて学んだことがあるのでシェアしたいと思います。

 

触ることで弱っていく生物

 みなさん、一度はガイドからウミウシを持ってこられたり、ハリセンボンを膨らましたりしたことありませんか?

 特に海外でダイビングすると「何も触らないで下さい」と言われることが多いと思います。

 実は海の生物を触ることで、生物たちはよりストレスを感じ、より弱くなっていくのです。多くの魚やサンゴが寄生虫の侵入を防いだり、菌から身体を守るために、抗菌性のある膜を体に覆っています。ところが、ダイバーなどがナポレオン、ウミウシ、ハリセンボン などを触ると、その膜が剥がれ、長期的に寄生虫や菌が体につき、病気になります。

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ハリセンボン

ハリセンボンもよくダイバーが膨らましているところを実際または写真で見かける方も多いと思います。

これもハリセンボンにとってはかなりのストレスです。通常は鳥や魚がハリセンボンを捕食した時に、身体を3倍も膨らまし、危険から逃れます。但し、危険から逃れても通常のサイズに戻るまでかなりの時間を要します。(元のサイズに戻るまで6時間かかるという話も)

 その間、泳げる速度は遅くなり、その間に潮の流れに逆えず、寒い海に流され死んでしまうこともあります。身体を3倍も膨らますと内臓等も圧迫されかなりストレスな状況になります。ストレスで死んでしまうハリセンボンも少なくはありません。

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ウミガメ

ブナケン国立海洋公園もウミガメがたくさーーーんいます!

ウミガメは呼吸のため海面に上がります。ダイバーがウミガメに近づきすぎたり、触ったりするとウミガメは緊張やストレスを感じ、通常より早く呼吸をしたくなります。しかし前にはダイバーがいるため外に出られなかったり、道を塞がれたり、もっとストレスになりますよね?

この動画のダイバーも触ったり、近づきすぎて、ウミガメに襲われました。こんなダイバーにはならないようにしましょう!

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あなたにとっても危険

想像してみてください。もしあなたが家族や友人、恋人と過ごしていて、巨人のエイリアンがあなた達を襲おうとしています。もちろんみんなを守るために戦ったり、逃げたりしますよね?

 魚も同じです。ダイバーなどが近くまでやって来ると家族を守るために噛み付いたり、逃げたりします。これは魚にとっても相当なストレスです。

 イソギンチャクやある種の魚は身を守るために毒を持っている種類が多いです。

 あなたがよく知らない生物を触ったりすると、魚の防御としてトゲを刺されたり、噛みつかれたり、毒を吐き出されたりします。あなたにとっても危険になりますので、何も触らないようにしましょう。

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グローブを使っているから大丈夫?

「私はグローブを使っているから大丈夫。」とお考えの方いませんか? これは大いに間違った考え方です。グローブを付けて触ったら、あなたは無事かもしれませんが、触られた生物はどうですか?ストレスを感じ、弱る生物を見て良い気持ちにはなりませんよね?

 暖かい海でのグローブは必要ありません。グローブが必要な方は、中性浮力スペシャルティコースを受講してスキルを磨きましょう!中性浮力のスキルが上がると写真を撮る時、もっと近くで生物を見たい時、とても楽にダイビングをすることができます。

 

 私たちダイバーは海の生物や景色がすきで、海に潜っています。毎回海に潜るたびに海の変化を感じ、長年潜っている人は5年、10年前と今は水中の変化を大きく感じている方も多いかと思います。ダイバーが一番間近で海の状況を把握しています。私たちが海の生物やサンゴを守っていく義務もあります。

 タラサダイブリゾートでは、海にとって私たちダイバーはゲスト。だから水中では何も壊したり、触ったりせず、見るだけのダイビングをしようと言っています。 

 オクトパスや残圧計もBCDにしまいましょう。ホース類がぶら下がっているとサンゴにあったたり、どこかに引っかかったりして海洋生物を壊してしまう可能性が増えます。

 今は外国人もマクロが好きな人が増えています。それでも中性浮力に気をつけて何も触らないようにしながら写真を撮られています。

 

 

 綺麗で健康的な海が続くようみんなで理解し、行動して海を守っていきましょう。